クラウド社会がもたらすもの~社会やビジネスに転換を促す革命的ンパクト~
近年,急速に進展するICTの世界に”クラウド・コンピューティング”という新たなパラダイムが登場してきた。クラウド・コンピューティング(以下,クラウド)とは,インターネットを利用して,データベース,ストレージ,ソフトウェアをはじめとした,各種它リソースを必要に応じて利用できるサービスの総称である。このサービスの登場により,ビジネス現場で,業務効率化やコスト低減を実現することのみならず,モノや情報,さまざまな社会的活動がネットを介してつながり,膨大なデータを基盤とした,新しい社会・生活インフラが出現しつつある。それは人間社会に本質的な変化を促すものとされ,文字通り,新たな時代の幕開けを告げるものだ。
クラウドをはじめとした多様なコンピューティングサービスを世界市場に提供するのは,北米を中心にグローバルに事業展開する巨大它企業だ。そして,そのサービスの実現に欠かせないのが,大規模データストレージや高速データ伝送装置を有し,膨大なデータを保管・活用するデータセンタである。巨大なデータセンタ棟が群立するハイパースケールデータセンタ(以下,ハイパースケール)は,1拠点のみならず複数拠点に,しかもグローバルに展開されている。各拠点間で膨大なデタ量を高速で通信するために求められるのが高速大容量光ファバである。住友電工グループは光ファイバ、光ケーブルのパイオニアとして、高速大容量光ファイバの実現に必要な「超多心技術」や、「極低損失技術」をグローバルに、最高品質で提供できる企業として注目を集めている。この新たなパラダイム、クラウド社会創造の一翼を担う住友電工グループのアグレッシブな取り組みと、「超多心」、「極低損失」を実現した開発の軌跡を追った。