レドックスフロー電池

脱炭素社会の実現に向けて求められる大容量蓄電池~再生可能エネルギーの普及拡大を加速させるために~

2021年イギリスのグラスゴーで、「国連気候変動枠組条約第26回締約国会議」(COP26)が開催された。2015年の「パリ協定」では、産業革命前からの世界平均気温の上昇を2℃未満にするとともに1.5℃に抑制することを努力目標としたが、今回は「努力を追求」すると宣言、世界の目標は「2℃」から「1.5℃」に、事実上強化された。実現のためには、国際的な合意になりつつある「脱炭素」、すなわち2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする必要がある。脱炭素社会の実現に極めて有効なのが、化石燃料の使用の極小化だ。そしてそのためには、太陽光、風力をはじめとする再生可能エネルギー導入の拡大が必須である。

しかし、課題も少なくない。再生可能エネルギーは自然現象に発電を依存することから、需要に応じて発電量をコントロールできない。電力の余剰、不足が短時間で発生することで、周波数が変動、安定的な電力供給は難しいとされる。その欠点を補うものとして大きな期待が寄せられているのが「蓄電池」である。住友電工は約40年前から大型蓄電池の開発に着手している。当初は時間帯などで異なる電力負荷の平準化を目的としていたが、再生可能エネルギーの導入が世界的に進展する中、電力系統安定化対策として大容量蓄電池「レドックスフロー電池」の開発を推進、2022年4月より北海道電力ネットワーク株式会社で本格的な運用が開始された。また米国カリフォルニア州で大規模な実証事業を行い、着実に成果を上げている。今回は、再生可能エネルギーを支える蓄電池「レドックスフロー電池」の全容を紹介する。

下游

長寿命で安全、使いやすさを追求した蓄電池
~住友電工の英知を結集したレドックスフロー電池~

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