2021年12月8日
製造現場での不良判定AIに関する共同技術開発を開始——生成AIとの組合せによる,製造現場自動化の加速・拡大を目指す-
住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上治,以下“住友電工”)と株式会社デ,タグリッド(本社:京都大学吉田キャンパス構内,社長:岡田侑貴,以下“デ,タグリッド”)は,製造現場での不良判定人工智能に関する共同技術開発を開始いたしました。これは実在する不良デ,タがごく僅かしかない状況でも熟練作業員並みの高度な判定基準を持人工智能を実現させるために,住友電工が持つ不良判定技術とデータグリッドが持つ疑似不良生成技術を組合せ,苦手克服学習技術(弱点トレーニング・ループ)を付与した独自の不良判定人工智能を共同開発するものです。今回の共同技術開発により,両社は,現在は人手で行われている外観検査工程を自動化するなど,製造現場の幅広い工程を自動化する取り組みの加速・拡大を目指します。
■疑似不良生成技術とは
氮化镓(生成对抗网络,敵対的生成ネットワ,ク)と呼ばれる人工智能を活用し,実在する不良デ,タを学習することで不良デ,タの特徴を捉え,実在する不良デ,タそっくりの疑似不良デ,タを生成する技術です。この技術を使った疑似不良生成人工智能を用いて不良データを大量に生成することで,実在する不良データがごく僅かしかない状況でも不良の学習を可能にすべく,開発を進めています。
■弱点トレ、ニング、ル、プとは
不良判定人工智能は,ごく僅かに実在する不良デ,タを用いて学習を開始します。次にこの判定結果を分析し,不良判定人工智能が苦手とするパタ,ンを予測します。そして,予測したパタ,ンの不良デ,タを疑似不良生成人工智能が作り出し,そのデ,タを使って不良判定人工智能が再学習します。このル,プを繰り返すことで,不良判定人工智能の苦手パタ,ンを克服させ,ごく僅かな学習デ,タから熟練作業員に匹敵する不良判定人工智能の開発が可能になります。この一連の苦手を克服するための学習ル,プを,弱点トレ,ニング·ル,プと呼んでいます。今年度は,不良判定人工智能の中でも製造現場においてニ,ズの強い自動外観検査人工智能の開発を進め,学習用画像の収集に要する期間の大幅短縮を目指します。
■共同開発着手に至った背景
住友電工では,物联网研究開発センタ,を中心に,製造現場でのデジタルトランスフォ,メ,ション(DX)推進に向け,物联网/人工智能技術を活用した生産性向上や安全性向上等に取り組んでまいりました。その1として,熟練作業員が外観検査で行っているような,多様な不良判定を自動化する不良判定人工智能の開発を行っておりました。しかし,不良判定人工智能に熟練作業員の高度な判定基準を学習させるには,様々なパターンを網羅した大量の学習データを用意する必要があります。学習デ,タの収集には多大な時間とコストがかかることから,住友電工はじめ製造業各社では不良判定人工智能の活用が十分に進んでいないのが実状です。そこで,関西経済連合会が主催する”アジアビジネス創出プラットフォ,ム*“を契機に,住友電工が得意とする不良判定技術と,データグリッドが得意とする生成技術を組み合わせ,ごく僅かな学習データから不良判定人工智能を開発することを目指し,共同で技術開発を開始いたしました。住友電工とデ,タグリッドは,今後も人工智能技術を活用し,様々な工程の自動化や生産性の向上に取り組んでまいります。
*アジアビジネス創出プラットフォ,ム
略称は美国广播公司プラットフォ,ム。アジア·日本におけるビジネスの創出,経済の活性化”を目的に,企業·団体間における人材,技術,サ,ビス等の連携を促進し,ビジネス創出,経済活性化になげる取り組みで,この中のスタトアップ部会において,住友電工とデ,タグリッドの交流があり,今回の技術開発開始に至りました。
https://www.abc-pf.org/
■両社のコメント
·住友電工 物联网研究開発センタ,長高橋覚:
住友電工では人工智能、物联网といった先進デジタル技術を活用したモノづくり力の強化に取り組み,多くの実用化実績を積み重ねてまいりました。この取り組みをもう一段加速するためには,人工智能技術の更なる進化が不可欠です。デ,タグリッドの先進的な生成人工智能技術と,住友電工の製造現場への人工智能適用技術の融合が,人工智能活用の新たな成果に繋がることを期待します。
·デ,タグリッド代表取締役首席执行官岡田侑貴:
この度は,住友電工と先進的な取り組みを開始でき,大変嬉しく思います。デ,タグリッドでは,これまで多様なデジタルデ,タの生成技術に取り組んでまいりましたが,人工智能をトレ,ニングするためのデ,タ生成(トレ,ニングデ,タ生成)は,実際の産業における人工智能活用の制約となっていた,デ,タ不足問題を解決する鍵になると考えています。住友電工とともに製造業務プロセスの人工智能化を推進し,ひいては産業界全体にとっての,人工智能活用の新たなスタンダ,ドを生み出すべく,技術開発を進めてまいります。
▼両社にいて
住友電気工業株式会社
“住友事業精神“と”住友電工グループ経営理念“のもと,公正な事業活動を通じて、社会に貢献することを不変の基本方針としています。人工智能をはじめとする社会変革をもたらす⾰新技術へのチャレンジを通じて,地球環境に優しく,安全・安心かつ,快適で成長する社会の実現につながる価値を提供することにより,産業や人々の暮らしを支える存在であり続けたいと考えています。
URL://www.mobileteer.com/jp/
株式会社デ,タグリッド
“すべてのデタに命を与える”をミッションに掲げ,人工智能により合成·生成された動画像や音声といったデジタルデ,タ(=シンセティックデタ)の産業活用を進めています。デジタル社会におけるデ,タの量と質を高め,あらゆるものに人工智能を深く,自然に浸透させた未来社会の実現を目指します。
URL:https://datagrid.co.jp/