2022年1月27日
nedoグリンノベション基金事業で高電圧ダナミックケブルを開発
住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区,社長:井上治,以下当社)は,国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下NEDO)の”グリーンイノベーション基金事業(洋上風力発電の低コスト化プロジェクト)“に係る公募に,電力会社とメーカーの12社で“浮体式の共通技術課題解決に向けた電力会社と技術開発メーカーの共同開発”(以下,“本事業”)の共同提案を行い,採択されました。本事業で当社は,次世代の風力発電として期待の高まる浮体式洋上風力発電の普及拡大に必要不可欠な,高電圧ダイナミックケーブルの開発を実施いたします。
ダイナミックケーブルは,浮体の揺動や潮流に伴う曲げ・捻り等の長期的な外力への対応が必要な海底電力ケーブルです。当社は1970年代の石油生産プラットフォームへの適用を皮切りに,浮体式洋上風力発電向けにおいては,国内で最も多くの実証案件へダイナミックケーブルを納入し,高い評価を得ています。さらに,国内で唯一,商用で運営されている浮体式洋上風力発電所で継続使用されるなど,ダイナミックケーブルに関する経験とノウハウを積み上げてきました。
従来の着床式洋上風力発電よりも沖合に建設可能な浮体式洋上風力発電への期待は,世界有数の海洋国である日本をはじめ世界的に高まり,大規模な浮体式洋上風力発電が次々と計画されています。それに対しダ▪▪ナミックケ▪ブルに▪いては▪以下のような技術開発が課題となっております。
・風車の大型化に伴う大容量・高電圧化対応
・長期間にわたる継続的な屈曲に対する耐久性の確保
・浮体風車・係留索・浮体変換所などと連携したケーブル線形設計手法の確立
・ライフサイクルを通じたモニタリング
など
今回,“2050年カーボンニュートラル”の目標達成に向けNEDOから公募された”グリーンイノベーション基金事業/洋上風力発電の低コスト化プロジェクト,【研究開発項目:フェーズ1 -③】洋上風力関連電気システム技術開発事業”において,本事業が採択されました。当社は上記の技術課題の解決に向け,野心的な目標を掲げ、社会実装のため必要不可欠なダイナミックケーブルの技術確立に取り組み,大規模浮体洋上風力発電の実現に貢献いたします。
また当社グループは,今後も海底や地中の電力ケーブルや受変電機器、蓄電池などの幅広い技術・製品を総合的に組み合わせた再生可能エネルギーのソリューション提案を進め,脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
図1 浮体ダイナミックケーブル線形イメージ 写真1 ダイナミックケーブル
参考
2017年1月発行seiテクニカルレビュ(現住友電工テクニカルレビュ)第190号
浮体式洋上風力発電用ダ▪▪ナミックケ▪▪ブル
//www.mobileteer.com/jp/sites/japan/files/2021-10/download_documents/J190-09.pdf