2023年2月16日
系統用蓄電池のマルチユースに対応したエネルギーマネジメントソリューション(sEMSA®)の提供を開始
住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区,社長:井上治,以下当社)は,sEMSA®*¹により系統用蓄電池のマルチユースを実現するエネルギーマネジメントソリューションの提供を開始しました。
2050年のカーボンニュートラル達成に向けて,太陽光発電や風力発電等,再生可能エネルギー(以下,再エネ)の導入拡大が計画されており,導入に向け系統整備や調整力確保が喫緊の課題となっています。その中で,電力系統に接続される系統用蓄電池は,再エネ電力の余剰時には電力を吸収(蓄電)し,需給ひっ迫時には放電することで電力系統の需給安定化に貢献します。加えて,各種の電力取引市場*²において調整力や供給力を供出するマルチユースでの運用が可能であり,複数の収益を生み出す新たなビジネスモデルとして注目されています。
従来の当社独自のアーキテクチャ(sEMSA®)を搭載したエネルギーマネジメントシステムは,電力取引市場(需給調整市場/容量市場等)との連携が必要となるVPP(バーチャルパワープラント*³)や再エネや蓄電池を活用した地域の脱炭素ソリューションなど,分散型電源を最適制御するさまざまなソリューションを実現してまいりました。
今回提供を開始するシステムは,クラウド上に構築されたsEMSA®サーバと,系統用蓄電池サイトに設置されたsEMSA®端末から構成され,sEMSA®サーバ1式で,複数の系統用蓄電池の群制御が可能です。sEMSA®サーバは,各電力取引市場の情報を取得することで,運用事業者の収益が最大になるような蓄電池の充放電計画を立案し,系統用蓄電池のマルチユースを実現します。一方,系統用蓄電池サイトにあるsEMSA®端末は,sEMSA®サーバからの充放電計画指令に基づき蓄電池を最適に制御します*⁴。
今後も,当社は再生可能エネルギーのさらなる普及と高効率な利用による”グリーンな地球と安心・快適な暮らし”の実現に向けて,電力の送配電,蓄電,ICT技術を進化させ,電力事業者,需要家双方のニーズに応える製品開発を進めてまいります。
* 1 sEMSA®():住友能源管理系统架构
*²,。
*³VPPは,需要家側エネルギーリソース,電力系統に直接接続されている発電設備,蓄電設備の保有者もしくは第三者が,そのエネルギーリソースを制御(需要家側エネルギーリソースからの逆潮流も含む)することで,発電所と同等の機能を提供する。()
*⁴。